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朝井リョウ氏の『正欲』今の世にこそ似合う問題作。

正欲 朝井リョウ 本が読みたくなる

今回は2021年3月末に出版された朝井リョウ氏の『正欲』を取り上げます。
正解とは何なのか、普通ってなんなのか、考え込んでしまう読後感です。

『正欲』朝井リョウ 新潮社

正欲 朝井リョウ冒頭に2種類の文章が提示される。
ある事件記事と、誰かの独白。
この小説の概要が示されたのだな、と読者は理解するだろう。

本編に入ると、大学生、会社員、販売員。地域も属性も異なる人々の日常が描かれる。
みな人生のやるせなさや怒りを押し殺して生きているようだ。
だが事件にどうつながっていくのか疑問に思う。冒頭を読み直してみるが見えてこない。読者は混乱しつつ読み進めることになるだろう。

“まともな人生”の道は意外と細く、何かのきっかけで踏み外す。それは自分のせいなのか、他者のせいなのかに関わらずだ。
そして元の道に必ずしも這い上がれるとは限らない。
それは知っていた気がした。

この『正欲』に書かれているのは、“細い道から元々降りた場所”で息をひそめて生きている人々がいるということだ。彼らのことをマイノリティと呼ぶのかもしれない。
マイノリティとの相互理解をという道徳心と、種類の違う人を叩きのめす風潮とは表裏一体なのだ。
それも知っている気がする。

知りながら目をそらし蓋をして生きている。この社会に対する警告を小説の形で世に送り出したのだと考える。

読み終えて数ヶ月経つのに、この話の中の情景が脳裡に浮かぶことがある。警告が私の中に定着したのだろう。

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みなさんに読んで頂きたいので、内容を掘り下げられないのがつらいところです。

 


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