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『迷わず書ける 記者式文章術』を読む。サラサラ書きたいぞ!!

迷わず書ける記者式文章術 本が読みたくなる

私たちは日常的に文章を書いています。ただ読者に対してわかりやすく書けているかどうかは自信がない。私も日々文章作成に苦心しているので手に取りました。著者は日経の記者さんだった方で、指導に揺るぎはありません。安心して文章の鍛錬ができます。会社の報告書、学術文書、もちろんブログを書く人にも参考にならないページはないと断言できる本なのです。

 

『迷わず書ける記者式文章術』松林薫  慶應義塾大学出版会

 

文章鍛錬の100本ノック

 

新聞みたいな文章を書きたいとは思わないよ。という方もいるだろう。すべての文章が新聞みたいになったら味気ない。しかし著者はいう。

ものごとを見てメモに取り記事にする能力は、自分がどの問題を大切に考えているのかを知ることにもなる。

文章を書くことは、執筆者の主観が入り独りよがりな文章になりがちだ。読み手がストレスなく全体像や問題を把握できるように構築する必要がある。それはどんな種類の文章でも同じなのだと。

身近に手に入る新聞。大手新聞のニュースサイトでもよい。これらをお手本にして文章の練習を重ねる。ものごとを論理的に組み立てる思考回路が身につくのだと。

その上、新聞紙上にはニュース、論説、解説、コラム、インタビュー記事など幅広いスタイルの文章が載っているので、参考にしやすい。このスタイルが基本の型となるので鍛錬して身につけることが大切だという。

新聞の文章は規格化されているのだそうだ。部品を数種類のパターンに当てはめて一つの完成品を作っている、これが新聞の文章である。

日々多忙な報道の現場において、静かな環境でゆったりと執筆する余裕はもちろんない。その中で取材をし記事を書く記者は、5W1Hを基本に、設計図の中に内容をあてはめていく。

もちろん簡単ではない作業だがこれを繰り返すことにより公開に耐えうる記事となるというのだ。

その手法を踏まえた上で一般の人々に文章の練習をしてもらうのが本書なのだ。

 

文章を書く手順

 

まずは大まかな手順を本書に沿って記す。

1. 書くべき内容を明確にする(主題/テーマ)

テーマを決める。読者の関心の高さ。目新しさや珍しさ。社会的影響の大きさ。この3つを考慮して決める。ネットでアクセス数を稼ぐならば、読者の関心の高さが第一だろう、という。新奇性を織り込んで考える。

 

2. 適切な構成のパターンを選ぶ(起承転結、結論から先にいう など)

論文なのか読み物なのかによっても構成が変わるはずだ。

 

3. 全体を書く(まずはざっと書いてみる)

読ませどころを意識すること。

・知識を得られる。

・予想や常識を覆される。

・異なった段落が最後でまとまることで読者が納得する。

これらを踏まえて書く。

 

4. 推敲して文を整える

 

テーマの発想法3つ。 いずれも「仮説を立てて検証する」

 

文章のテーマを考えるヒントになる発想法だ。

1.逆張りの発想

想像しうる展開をあえて否定する。常識は実は違うのでは?と仮定する。それが正しいかどうか考える。

2.掛け算の発想

関係なさそうなものとの組み合わせ。意外性のあるネタを組み合わせて、新たな視点を見つける。

3.逆算の発想

結論から決める。その上で仮説検証をする。結論につながる関係性をさまざまな方向から考える。

これら3つの考え方に共通するのは、回り道するということだ。誰も気づいていない斬新なアイデアを出すには、通常の回路ではたどり着かない。

仮説・検証を繰り返す。「成立する仮説を考えつく確率」を高めていく作業が不可欠だのだと著者はいう。

 

大切なのは「設計図」を作ること

 

「文章なんて書きながら考えればいいじゃないか」それは大きな間違いです。

中盤で上のような指摘がある。

ああ。まさしく自分に向けられた言葉だと感じた。内容を吟味したら設計図に当てはめていく。その作業なしに読者にわかりやすい文章は書けないのだという。無鉄砲気質の自分にグサグサとくるのだ。

1.設計図の基本項目

今から何をかくのか方向性を決めてから書き始めろ。と著者はデスクに言われたそうだ。

 

2.仮見出しを書く

起承転結などにそって考える。一言でいうならどんな言葉だろうか? それが見出しになる。結論や主張が一目でわかるものがよい。

その上で、見出しは具体的にすべきだ。5W1Hの最も重要な要素を盛り込む。体言止めにするとキーワードが引き立つ。

 

3.本文の構成・・・4つの基本パターンがある。内容により、どのパターンを当てはめるのが最適か考える。

1.逆三角形 結論から順に説明していく
2.三部構成 序論/本論/結論
3.起承転結
4.起承展転結  起承転結の応用 長めの読み物に適している

 

4.仕様を確認する

読者(どんな人を読者に想定しているか)
目的(読者にどう考えて欲しいのか)
分量(文字数の把握)
締め切り

 

読みやすい文章を書く三原則

 

その際、細かな文法などにはこだわらない。一から考えるより、あるものを修正していくほうが早いからだ。

読みやすい文章を書く三原則は

1. 一文は40~60字以内
2. 説明や主張は一文に1つに絞る
3. 受け身(受動態)を使わない・・・「~された」ではなく「~した」という能動態を用いる。これによりwhoが抜け落ちない。

3番目の受動態を使わないという考えは、なかなか気が付かない視点だと思う。

例えば「何月何日に祭りが行われた」(受動態)ではどこの誰がおこなったのかがわからない。文法上は問題がないため見落としがちだという。

この場合は「〇〇町が何月何日に祭りを行った」(能動態)という表現に改めることで、5W1Hを含んだ文章になり、読者を混乱させないのだ。

 

リード文の大切さ

新聞の第一段落は「リード」という。これはブログの導入部とも同じだ。ここに5W1Hのポイントを詰め込む。文章冒頭で全体の要旨をまとめたり、簡潔に説明する際に応用できる。

「説明する事柄の本質が何かを考えた上で、どんな要素を盛り込むか取捨選択をすることが重要」

自分が書く文章を把握していなければ、読者を納得させる冒頭文は書けないだろう。試されているともいえる。

このリード文を読めば一応のニュースは把握できるということは、新聞を読む上でのスキルでもある。

 

読みやすい文章とは

読みやすいとは、読み手に頭を使わせない ということだそうだ。

構文を読み解く手間が省ければ、本題のテーマについて深く考えてもらえる。

そのために必要なのは、設計図を描き、5W1Hを押さえ、複雑な構文を避け、難しい単語には注釈をいれる。文章を世に出すというのは手間暇がかかるのだとわかる。

 

読みにくい原因を精査する

1. 構文が複雑
40~60文字の原則を守れば、複雑にはなりにくい。それでも読みにくい場合は、さらに2文に分割する必要がある。

2. 論理展開に無理がある
論理が飛躍してると、読者は予測で内容を補う必要がある。丁寧な説明を心掛ける。

3. 説明不足
説明が不十分だと読みにくい。専門用語や略語は特に慎重になるべきだ。門外漢の読者を想定して、注釈や平易な単語に置き換えることも必要だ。

 

推敲する

黙読よりも声に出して読み上げるのがよいという。引っかかる箇所には問題がある。その場合、分析して修正していく。

接続詞の除去を行う。「それで」「だから」 がなければ意味が通らない文は前後の意味がつながっていない可能性がある。

 

写真にも5W1Hが必要だ

新聞では写真に身体の一部を入れるといいとされている。「誰がなにをどのように行っているか」が一目で理解できるからだ。被写体の大きさもわかりやすい。

そういえば新聞記事の商品紹介写真には子どもや女性が写っている場面が多いなと思っていた。具体的に見えるからなのかと納得した。

 

迷わず書ける記者式文章術

描写の鍛錬は記者のお仕事を真似ること

 

描写は絵に描けるように

上手な文章は情景が目に浮かんでくる。これは読者の想像力に負荷をかけないように、具体的に描写してるからだ。

初心者は形容詞やキーワードを羅列しただけで具体化したような気分になってしまう。
自分の書いた文章を読んでその情報だけで絵が描けるかどうか。

文章だけで写真を説明した場合、読者が元の写真のような構図で絵を描けるかどうか。書き手の力量が試されるといっていい。
5w1hの様式に従って説明を加えていくとわかりやすくなる。

このトレーニングを積むことで以下の3つの効果があると著者はいう。

1.「自分にはわかっていても相手にはわかっていないことがある」という事実を常に意識しなければならない。

2.「相手が知らないことをどう伝えるか」を常に意識する。言葉の選び方や説明の仕方を工夫するようになる。

3.「伝えるべき情報を絞り込み、思考の流れに沿った順で説明する」という基本動作の習得。

 

鍛錬の基本はいつだって同じ

メモを取る。5w1hを抽出して並べる。という作業を繰り返す。

それにより、3つの効果を手に入れることができるのだと。表現力も増し、文筆だけでなく発言の能力もあがるという。

 

記者会見を速報記事にする鍛錬

ネットに流れる首相や官房長官の記者会見を見て、実際の新聞記者のように文字数と締め切りを設けて記事を書いてみる。その後流れてくるメディアの文章と比較し、自分の文章と比較する練習だ。

メモを取る段階で原稿の書き方を考えておく。出てきた情報に優先順位をつけ、どこを記事にするのか取捨選択を済ませておく。

15~25字を目安に見出しをつける

リード文の作成。誰がいつどこで何をどうしてどうなった。という基本の順番を踏まえ、要素を並べ替える。5w1hの要素ごとにメモを取っていれば後で原稿を書きやすい。

仕上がった原稿と本物の速報とを見比べる。

見出しの違いは何を重要項目としたのかが確認できる。

本文の検証。プロの記者の原稿は逆三角形の構成で並んでいるという。

リード文、第一段落、第二段落。と、重要なものから順に並んでいる。それが記者の優先順位である。

一連の練習を重ねることで、自分自身の「ニュース価値の判断基準」が磨かれるのだという。

 

迷わず書ける記者式文章術

最後に

 

膨大なニュースが自分の周囲にやってきては去っていく。いつも深く考えずにに流し読みしている。この本を読んだ後は、新聞の読み方が変わると思う。

リード文に盛り込まれる情報でニュースの概要がわかるか。本文の具体的な事例は興味を引かれるか。どんな形式の段落構成なのかと考える。これは読者としての観点だ。

書き手としては、どれだけひとりよがりの文章を書いてきたのかと恥じ入るばかりだ。自分にとっての判断基準、価値観を常に意識しながら書かなければならないのだと、松林氏に叱咤されたように思うのだ。

 

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