【ぎゅっと凝縮】『シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』。大切なことを5つお伝えします。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

私はこのままの生き方でいいのかな…と考えたり、私に合う仕事ってなんだろう…と探し続けていたり。悩まない人はきっといないのではないでしょうか。

ナヴァル・ラヴィカント氏は現代のアメリカ「シリコンバレーと世界中のスタートアップ文化を象徴する存在」と位置づけられています。

この本は、ナヴァルさんの主にツイッターでの発言をインタビュアーが掘り下げて聞き、まとめたものです。世界中の言葉で翻訳されています。それは、ナヴァルさんの考えが人類に共通する幸福へのメソッドだから。

とはいえ、300ページほどもある本だし…と心配になるかもしれません。でも大丈夫です。大切な言葉ばかりでふせんだらけになること確実です。何度も読み返す心のお守りのような本になりますよ。

この本の主題はふたつ。

・時間は有限。
・あなたが一番やりたい仕事を、信頼できる人と、心地いい場所と心で行うべきだ。

一見普通の言葉ですね。でも目をそらしたり、実行していない方も多いのではないでしょうか。この考えの根拠を知ることが、あなたの第一歩につながるからです。

「富」と「幸福」の2章からなるこの本を、ぎゅっと凝縮してお伝えしますね。

目次

富 富を生む「行動」と「思考」の特徴

時間を切り売りせずに、自分らしさを発揮する。

ナヴァルさんは冒頭から固定概念を壊しにかかります。

「時間を切り売りしていては富は決してやってこない。」

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

時間の切り売りとは、例えば時給いくらで働くこと、月給いくらで働くことを指します。では、あなたが休暇を取った時、病気になった時はどうでしょうか?時給が貰えなかったり、有給が減ったりします。

そんな切り売りの発想では「リッチ」になれないのだ、とナヴァルさんは一貫しておっしゃいます。正社員とバイトを掛け持ちしたとして、あなたが身体を壊したらどうするの?と問うているのです。

「富とは、君が寝ている間も稼いでくれる資産だ。」とのこと。富って単にお金持ちという意味だと思っていましたが違うようです。掛け持ちや残業とは真逆の発想ですよね。

努力は富とはほとんど関係ない。努力することは必要だが、判断のほうが重要だ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

努力は報われる、なんて教え込まれてきたわたしたちは途方に暮れますよね。ではナヴァルさんが重要視する判断とはなんでしょうか?

正しい方向を選択することのほうが、どれだけ力を加えるかよりもずっと重要だ。歩みだす方向を正しく選んでから、歩み始めよう。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

なんの知識もなく突然走り出したら、それは逆方向かもしれません。ゴールにたどり着くためには、行き先を判断する力が必要なのです。

ナヴァルさんは行くべき先について、こう表現します。

基礎から始めて、深く精通せよ

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

人が極められることは1つか2つしかないとも言います。「それはたいてい、君がのめり込んでいることだ」と。

私がのめり込んでいることって、なんだろう?
そこで考えますよね。自分が一番好きなこと、苦もなくできることを思い浮かべるはずです。そして「たしかに好きだけど、それでリッチになれるとは思えない…」と腰が引けてしまうかもしれません。

あなたが思い浮かべた、好きなこと。これで歩み始めるとして、リッチになるにはどうしたらいいのでしょうか?

君のやっていることで世界一になれ。

あなたがのめり込んでいること、それをナヴァルさんは「特殊知識」と言い表しています。

特殊知識は専門性や創造性が非常に高い場合が多い。外注化や自動化ができない。

特殊知識を見つけるには、今の流行を追いかけるより、君の純粋な好奇心と情熱を追い求めよ。君の知的好奇心を追求しよう。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント


知的好奇心というところがポイントですよね。

君が子どもの頃や10代の頃に苦もなくやっていたことを考えてみよう。それを磨いていこう。でも、君がそれに100%のめり込んでいなければ、100%のめり込んでいる誰かに負ける。アイデアの領域には複利が大きく働き、レバレッジが大きく働くからだ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

もう誰かに負ける気がして仕方がありません…。
ここで新しい単語「レバレッジ」が出てきました。テコの原理という意味です。金融では、借り入れで得た資金で大きな取引をして、最終的に収益を得ることを指します。では自己実現でのレバレッジとは、どういう意味なのでしょうか。

ナヴァルさんによるとレバレッジには大きく3種類あるそうです。

1. 労働 
あなたの仕事のために働いてくれる人のこと。同僚や部下がいれば仕事は確かにはかどります。でもそこには「人間関係」という問題が浮上しますよね。

2. お金
種銭があれば堅実な投資で殖やせるということはわかります。ただ資本力がなければ現実的ではなさそうです。

3. 限界費用ゼロで複製できるプロダクト
「本、メディア、映画、プログラミングコード」がこれにあたるそうです。

例えばKindle出版。出版までの苦労は計り知れませんが、出版すれば読者は自分で購入し読んでくれます。購入した人が自分でダウンロードしますよね。これが複製できるプロダクトなのです。
ブログ、YouTube、Instagram、アプリ開発なども同様です。どれも一度作って世に出せば、読者視聴者の数だけ増幅する装置ですね。

ナヴァルさんは3番目のプロダクトを勧めます。それは「誰の許可もいらない」「とても平等主義」だからです。確かに会社に上申書を提出する必要も、コンペに出品する苦労もありません。

レバレッジ(テコの原理)なくして富はない。複製できるプロダクト(コードとメディア)を作って、君が寝ている間も働かせよ。レバレッジは、君の下す判断の効果を何倍にも増幅させる。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

なるほど、インターネットという現代の道具を駆使して、私の得意なことでレバレッジを効かせればいいんだな。ここまでわかりました。商品や作品を作っていきましょう。

ここでまた不安が頭をもたげます。例えばYouTubeなら、再生回数がとんでもなく回ったならいいけれど、知り合いがちょっと見てくれただけ。なんてよくあるんだよな…。

一歩を踏み出す人の悩みに、ナヴァルさんはこう回答しています。
それは判断をし続けること。「判断」はいつも使う単語ですが、ナヴァルさんは重みを持って話します。

自分の行動の長期的影響を知って、それを活かせるように正しい決定を下すことが大事だ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

PDCAという言葉をご存じでしょうか?端的に言うと「計画→行動→行動をチェック→改善策を考える」という考え方です。

世に出した商品や作品の影響の輪は、最初は小さいかもしれません。ならば世の中にもっと認知されるにはどうすべきか、と考え続けます。自分の行動をチェックし修正し、その上で正しい「判断」をするということ。このPDCAを回し続けるのです。

それには時間がかかる。きみのやっていることで世界一になれる態勢を整えよう。きみのやっていることを微調整しつづける。すると、チャンスの方から君を探しにきてくれる。幸運が君の運命になる。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

遠回りでしかないこの行動を続けることでしか「レバレッジ」は効いてこないようです。

自分をプロダクト化せよ。

私たちは生身の人間なので、プロダクト化という工業的な表現はなじみにくいかもしれません。

これまで述べてきたとおり、自分の好きなこと得意なことを武器に、SNSなどをうまく活用して認知度を上げ、試行錯誤を繰り返すという活動そのものが「自分をプロダクト化する」ということにほかなりません。

「特殊知識」「説明責任」「レバレッジ」を武器にせよ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

それはあなたの出来不出来を上司や会社が責任を取るのではなく、自分自身が全ての責任を引き受けるという重い決断でもあります。

説明責任を引き受け、君の名のもとに事業リスクを取れ。社会はそのみかえりとして、君に責任、エクイティ、レバレッジを与えてくれる。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

エクイティは、「株主資本」という意味です。得た果実は全て自分の取り分です。どこまでも自由な活動だとポジティブにとらえることもできますよね。

全責任を負う代わりに、一会社員のままでは手にすることのないリターンを得られるんだ、とナヴァルさんは強調します。

君のやっていることで世界一になれ。そうなるまで、君のやっていることを微調整しつづけよ。自分らしさで競争から抜け出せ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

決して簡単な決断ではありません。どの働き方も尊いのです。ただ一歩抜きん出るためには、自分自身をブラッシュアップすることが必要なのです。

自分をプロダクト化するということ。一見果てしない旅のようですが、この本に散りばめられたナヴァルさんの言葉を信頼して、前に進むことも選択のひとつではないでしょうか。

幸福 この世界で最高の人生を歩むには

幸福とはスキルだ。

第一章で、富を手に入れるために得意を伸ばしてレバレッジを効かせよと熱く説いていたナヴァルさんですが、この第二章では少し角度が変わります。

ナヴァルさんの思考が仏教の考えに近いことがわかるのです。

人間は何もかもをあたりまえだと思いがちだ。何かを手に入れると、それを当然だと考える。でも今この瞬間を味わうと、いつもどんなに多くの恵みに囲まれているかに気づく。それに気づきさえすればいいーー君は今この瞬間を生きていて、このすばらしいすべてを君の好きなようにできるんだ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

例えば椅子に座って「ただ座っていること」に集中できる人は少ないのではないかと、ナヴァルさんはいいます。確かに何かをしていないと落ち着かないし、考えが連鎖したりと、私たちの頭の中は目まぐるしく思考が入れ替わっています。

この状態を「不安のせいで不幸になっている」のだと表現しています。そして図星確定の格言まで飛び出しました。

 

欲望とは「欲しいものを手に入れるまで不幸でいます」という契約を、自分自身と交わすことだ。」

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

この世の大多数は欲望のために働き、なんらかの不安を抱えて毎日を過ごしているのではないでしょうか。現在の私たちが手にしているものだけでも充分幸せなのに、更に求め続けること。このような状態は「不幸の契約」なのだと、ナヴァルさんは定義づけます。

誰かを羨ましく思う感情を持たない人はいません。ナヴァルさんも例外ではなかったそうです。ただ自分が羨んでいる相手そのものに100%入れ替わる覚悟はない。自分は自分だ。と考えた時、その感情は消えたといいます。嫉妬心を抱いた時、このエピソードを思い出すと少し心が安定するかもしれません。

君にとって幸福が重要だと心に決めよう。何よりも幸福を優先しよう。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

そう決めて周囲に宣言することもよいことだといいます。自分の言動に一貫性を持たせたいと心が動き出すからです。瞑想や心を内観して自分を深く理解すること。心の整理整頓が必要なのです。

まずは、知ろう。すると、理解できる。すると、説明できる。すると、感じられる。やがてそれが君の姿になる。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

幸福はスキルだという考えも少し理解できる気がしませんか?全ては自分の心の持ち方次第なのです。手に入れたいスキルですよね。

つらいのは、やりたいことをやらないことだ。

君らしさで君に勝る人は、世界に一人もいない。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

幸福になるためには求めすぎず、内観せよとナヴァルさんは言うのですが、「幸福」の章の終盤になって「富」の教えとリンクする部分が出てきます。

昔から好きだったことを仕事にすると決めるには、人生の棚卸しが必要になります。振り返る時間が瞑想に近いともいえます。

君が人生でめざすべき目的は、君を一番必要としてくれる人や事業、プロジェクト、芸術を見つけることだ。君にしかできないことがどこかに必ずある。


君がどんな環境でなら成功できるかを考え抜いて、成功できそうな環境を君のまわりに築けということだ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

自分自身を深く知ることで、本当にしたいことを掘り起こし、仕事を立ち上げます。それによって、自分の存在意義も感じられるということでしょうか。ナヴァルさんの考え方が輪のようにつながっていることが理解できます。

いつかやりたいことがあるなら、今やれ。待っていても「いつか」は来ない。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント


本当はやりたいことがあるんだけど、と迷っている人はひとまず一歩踏み出せ!と何度もナヴァルさんがうながすのです。

まとめ

冒頭の11ページにも及ぶ目次を眺めるだけでも、「やらなければ!」という気分になります。読者に行動を促す言葉が集約されているからです。

本文を読み、大切な言葉を抜き書きしてみると、同様のことを何度もおっしゃっていることに気が付きました。広く深く心に届くように手を変え品を変え、噛み砕いて説明していることがよくわかります。

みなさんも一読したら、「あなたにとって大切なナヴァルさんの言葉」を書き留めるのもいいかもしれませんね。

そして小さな一歩を踏み出す時、みなさんの心にはナヴァルさんの言葉が息づいているに違いありません。

私の心に残ったのはシンプルなこの言葉です。

自分の時間を大事にしよう。君にあるのは時間だけだ。

シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

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