【本を売るひと その3】荷物の仕分けは鬼速&精密なジャンル分けが必要です。

入荷検品は鬼速で。

書店に朝から出勤されている方には、開店前に大一番が待っています。それが”荷物の仕分け”です。オープン時刻に書籍の棚入れが完了しているお店はほんとすごいです。事前の迅速な作業の賜物だと思います。

そんなお店に働きにきて、先輩たち素早すぎてもうわけわからん…って方に、オープン前作業のあらましをお伝えしますね。細かい部分はそれぞれのお店によって違いがあると思います。概要がつかめるだけでも気持ちが楽になりますので、ぜひ読んでみてください。

 

取次からの朝の搬入

 

毎朝、取次からたくさんの荷物がやってきます。お店によってはトラックからお店まで運ぶ作業があるかもしれません。その時点で荷物は雑誌と書籍で二手に分けて、大きな台車に載せているはずです。

 

雑誌  新刊

 

雑誌は同様のジャンルごとに、透明のビニールにくるまれ結束バンドでしばられてやってきます。新聞販売店の前に積まれている新聞たちをイメージしてください。

雑誌の一群の中にも3つの部族が潜んでいます。雑誌と一口にいっても単一ではありません。

雑誌ムック書籍扱いのコミックス

裏表紙のバーコードの違いをちらっと確認してみてください。

・1段バーコード … 雑誌(491から始まるJANコードと5桁の本体価格の数字)

・2段バーコード … ムック(Cコードが9から始まり、雑誌コードもついているもの)

・2段バーコード … 雑誌扱いの書籍(コミックなど)(Cコードが9から始まり、雑誌コードもついているもの)

詳しくは↑のHPをご覧ください。

 

お店それぞれだと思いますが、専門的な雑誌(医学系雑誌や語学系雑誌など)はそれぞれのジャンルに住みかがある場合が多いです。全てがいわゆる雑誌コーナーに並んではいないのです。

荷物の個数の確認が終われば、粛々と仕分け作業に移ります。他ジャンルに渡すもの、雑誌コーナーに置くもの、に分けながら作業するとよいかと思います。

ビニールの包みや結束バンド、補強用の厚紙などゴミもたくさん発生します。分別仕分けも仕事のひとつ。

 

雑誌コーナーに置かれるものは付録を伴うものが非常に多いです。特に女性誌は付録祭りになっています。それをマッハでつけて店頭に美しく出す作業。それをオープンまでにこなさなければなりません。ひもでくくったり、ゴムで止めたり、透明ビニールにいれたりと、その店その雑誌の特性によりさまざまな作業が付帯します。

「付録って本屋でセットしてるのね。知らなかった」とよく言われます。悲しいかな、そうなのです。大変なのです。

雑誌は”前号を引く”という重要な作業も同時にこなさなければなりません。新しい号を買いに来たのに、残っていた前の号をうっかり購入してしまう…それはクレーム直結の事態です。

多忙な中でもしっかりと目を配るべきところです。バックナンバーを置く場合はお客様にそれとわかるようにポップなどで差別化する必要もあります。

そこまで出来たら100点。やっとオープン時間です。

 

書籍  新刊

 

書籍の荷物を検品している場所はまたもや二手に分かれて作業しているかと思います。

まずは新刊について。

わたしたち書店側がアクションを起こして事前発注したもの以外は、「自動配本」というシステムによって自動的にやってきます。つまり漫然と書店で働いていても一応いま流通している本の棚は作れるということです。

その自動配本というシステム、あなたのお店の規模や立地、客層や客単価、それまでの売れ行きなどを勘案して決まります。ですので話題書となるとターミナル駅近くの巨大書店には山積み、郊外店では数冊というパワーバランスができあがるのです。

勘案しているのは誰か、版元と取次です。欲しい本は少なく、この店ではあまり…的な本がたくさん入ってきたり。それが世の常です。

そんなミスマッチを減らすために、日々書店員は自分の店の客層と売れ筋を把握して新刊として入ってくる前に手配をしなければ、巨大書店に太刀打ちできないのです。

とにもかくにも、今朝やってきた新刊を、あなたのお店で決められたジャンルに素早く正しく振り分けること。それが朝の最初の仕事です。

昨日まで世の中に出回っていなかった本を手にするのは、書店勤務の醍醐味です。新刊の装丁を見るだけでも心沸き立つものです。

 

 

書籍  既刊

 

書籍の既刊とは、すでにあなたのお店に入荷して売れたことにより、再度やってきた本です。

やってきた経緯はそれぞれです。

・取次自動発注という1冊売れたら1冊入荷するという、便利システムで到着したもの。

・書店員が今後も売れそうだと見込んで、冊数を決め発注したもの。

・出版社や取次、はたまたあなたのお店の本部の施策により送り込まれたもの。

・客注商品。客注商品は明らかにそれ!と見分けがつかない場合が多いのです。ただ本の間に版元さんがはさむ”短冊”という細長い紙がある場合は、それをじっくり観察してください。客注番号やお客様のお名前などが記載されていたら明らかに”お客様注文分”です。”客注”だと分かるように別にしてください。

そのほか、フェア展開するためのセットの箱や、委託販売の出版社の本たちもあるでしょう。追加注文した雑誌が書籍既刊の箱の中に入っている場合も多いです。

それら大量の書籍を適切にジャンルに振り分けます。ジャンル振り分けは相当気を遣う場面です。同じチェーン内での転勤だったとしても、担当者が違えば置く棚は異なるかもしれません。諸先輩方に尋ねながらじっくり素早く作業してください。

 

 

どの種類の荷物に関しても最後に行う作業

 

折りたたみコンテナやダンボールなどを片付ける。ごみの分別もお忘れなく。清掃作業も同時にお願いします。

雑誌・書籍の新刊既刊に関わらず、伝票入力の作業があります。担当の方がいらっしゃる場合はその方に伝票をお渡しする。自分たちでする場合は、伝票の抜けがないようにしっかり確認して入力してください。

ここまでの作業でも汗だくになります。出勤してすぐにマッチョな作業なのです。オープンまで時間は限られていますが、するべきことはもりだくさんです。

そして荷物に詰め込んである梱包材を踏んで滑ってお怪我しませんように。(ホントにそんな労災案件ありますので)

 

その後、品出し作業に移っていきますが、それは次の機会に…

 

福音館書店さんのHPによい記事がありました。福音館から本を出版された作家さんが、ご自身の本の誕生である製本から日販さんの配送センターでの貨物集積、配送。本屋の棚に並ぶまでを写真入りで詳しく説明されています。私もとても勉強になりました。よろしければ、ご一読ください。

 

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。お互いに知識を補充して書店に向かいましょう!!

 

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