文芸 小説– category –
-
『タラント』角田光代氏。思いを受け継いで自分の”使命”を生きること。
「タラント」とは「使命」という意味だそうです。角田光代さんが描くこの”使命”とはなんなのか。主人公みのりは回り道と停滞を繰り返します。祖父の人生が明らかになる... -
『ニューヨーク製菓店』キム・ヨンス (金衍洙) 心がじわりと溶かされる。
書店に韓国の作家さんの物語やエッセイがあふれています。ここ数年ほんとうに増えましたね。どれから読むべきか迷っている方にお勧めのショートストーリーがこの『ニュ... -
『ばにらさま』山本文緒さんの最後の新作。
2021年10月にご逝去された山本文緒さん。その直前に出版されていたのが『ばにらさま』です。バニラアイスのようにひんやりとした女の子とその彼氏とのお話は、なんだか... -
『閉経記』伊藤比呂美氏、この本を手に取った人はお年頃。
伊藤比呂美さんのお名前は『ウマし』で存じていたものの、この本を読んでみようと思わせたのはやはり『閉経記』というエキセントリックなタイトルのおかげだと思います... -
映画『ドライブ・マイ・カー』と『ワーニャ伯父さん』の関係性について考える。
映画『ドライブ・マイ・カー』は主人公の西島秀俊さんの冷めた眼差しと苦悩する内面が交錯する場面が多く、どきどきします。村上春樹氏原作の短編小説であるこの作品で... -
『愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集』野呂邦暢氏、昭和40年代の東京の町と戦前の長崎の情景。
『愛についてのデッサン』の初出は1979年(昭和54年)。角川書店より刊行された小説です。 主人公20代の佐古啓介は亡き父が営んでいた東京・阿佐ヶ谷にある古書店を継ぎ... -
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』をすすめまくる。
出会い系サイトで出会った人に本を勧める。なんて無謀な、でも実話なんです。 著者・花田奈々子さんのノンフィクションなんです。 いろんな危険を回避しながらも著者は... -
角田光代氏『タラント』読売新聞の連載が終わって。
『源氏物語』を現代語に訳し上げた角田さんが 5年ぶりの長編小説がこの『タラント』です。 2020年7月18日から連載が始まりほぼ一年。 2021年7月23日、東京オリンピック... -
川上未映子氏『夏物語』と柚木麻子氏『ナイルパーチの女子会』で女の業を読む。
今回は一度決めたら止まらない女たちをハラハラしながら見守るお話2冊です。 読み手は自分の中に登場人物の要素を含むと気がついた時に ゾクッとするのです。 【『夏物... -
田辺聖子氏『ジョゼと虎と魚たち』 伊藤まさこ氏『母のレシピノートから』で昭和後期の女の生き方を読んでみる。
昭和30~40年代に働き盛りだった女性たちって、家事も仕事も完ぺきにこなすスーパーウーマンのイメージがあります。 田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』と伊藤まさこ『母の...
12