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『春のこわいもの』川上未映子氏。暖かな日差しとゾクッとする冷気と。

パンデミックが始まろうとする春のこと、覚えていますか。当たり前のことがことごとくできなくなる戸惑い。世界が変質していくような毎日でした。今に続く混乱の中でこそ生まれてきた小説が『春のこわいもの』です。「本当の世界って、どっち」なのかな?と語り手がつぶやきます。ここではない場所に引き込まれるような感覚を味わって下さい。
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『我は、おばさん』岡田 育 氏。堂々と名乗りを上げよ。

はい、強烈なタイトルです。著者の岡田育氏は1980年生まれ。むむ…。「おばさん=若い世代に与える人」と定義し、「少女でも老婆でもない長い年月を名無しで通すのか」と問題提起をしている本です。なかなかの賛否両論な内容です。
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『砂嵐に星屑』一穂ミチ氏。自分だけの星を見つけること。

一穂ミチさんには深〜い固定ファンがついているのは何故かしら?とこのお話を読んでみました。大阪の民放テレビ局で働く人たちのオムニバス小説、春夏秋冬4つの短編たちです。華やかさやカッコよさの裏で、みんな泥くさく汗まみれで人知れず泣いています。葛藤して悩んで、それでも今日も出勤します。
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『聖なるズー』濱野ちひろ氏。人間と動物との深い愛情について。

「ズー」とはなにか。男女の、または男子同士の女子同士の恋愛があるように、人間と動物との間にも恋愛感情は存在し、その感情を持った人々のことを「ズー」と呼ぶ、とのこと。その関係性に度肝を抜かれます。きわどいどころではない題材と内容に、読んだ人は見たこともない扉を開くことになるのです。
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『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬氏。少女が戦うのは敵国か、この世の中か。

これがデビュー作だとは信じられないほどの重みを抱えた作品です。舞台は第二次世界大戦のさなかにあるソビエト。最前線で戦うソビエトの女性狙撃兵たちの物語です。ここに勝者がいないことは明らかなのですが、人はなぜ人を殺めるのか、そして殺戮と同時になぜ女性への蹂躙があるのか、幾つかの命題が存在するお話です。
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『タラント』角田光代氏。思いを受け継いで自分の”使命”を生きること。

「タラント」とは「使命」という意味だそうです。角田光代さんが描くこの”使命”とはなんなのか。主人公みのりは回り道と停滞を繰り返します。祖父の人生が明らかになるにつれて、見えてくるもの。全てが見通せたときに私たち読者は主人公と共に一歩踏み出せるでしょう。
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『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』スズキナオ氏。日常を楽しむのにお金はかからないんだ。

「自分の近くにあるものにじっくりと目を向ければ見出せる楽しみがある。」 と著者スズキナオさん。『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』のまえがきの一文です。コロナ禍で改めて視界に入ってきた「近場での楽しみ方」。スズキナオさんは呑んだり食べたりしながらのご近所散歩でも、こんなに奥深いんだということを教えてくれるのです。そして人と正面から向き合うことの意義深さ。いろんな切り口でゆるゆると楽しむ術を伝授してくれる本です。
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『女と仕事 「仕事文脈」セレクション』。働くことを考える。

タバブックスさんという出版社の「仕事文脈」という雑誌をご存じですか?2012年に創刊されたリトルマガジン、年2回発行で2021年11月にvol.19が刊行されています。「仕事文脈」の”女性と仕事”について書かれた寄稿文をセレクトして一冊にまとめたのが『女と仕事「仕事文脈」セレクション』です。スキルいろいろお仕事もさまざまな女性たちが語るのは、仕事つまり人生についてです。
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『ニューヨーク製菓店』キム・ヨンス (金衍洙) 心がじわりと溶かされる。

書店に韓国の作家さんの物語やエッセイがあふれています。ここ数年ほんとうに増えましたね。どれから読むべきか迷っている方にお勧めのショートストーリーがこの『ニューヨーク製菓店』です。著者のキム・ヨンスさんは1970年生まれの韓国人です。繊細に広がる情景や心情は、日本に住むわたしたちの胸も揺さぶる、そんな作品です。
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『迷わず書ける 記者式文章術』を読む。サラサラ書きたいぞ!!

私たちは日常的に文章を書いています。ただ読者に対してわかりやすく書けているかどうかは自信がない。私も日々文章作成に苦心しているので手に取りました。著者は日経の記者さんだった方で、指導に揺るぎはありません。安心して文章の鍛錬ができます。会社の報告書、学術文書、もちろんブログを書く人にも参考にならないページはないと断言できる本なのです。
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